高尾山域のオススメトレラントレーニングルート
2020/03/21 編集、追記
高尾山域でトレランする場合のオススメトレーニングルートを紹介します。
質が高い練習ができ、なおかつハイカーさんが少ないルートを選んでいます。GPSデータもアップロードしているので実際に試しやすいと思います。
解説はすっ飛ばしても大丈夫だと思いますが、読んだほうがコースの趣旨が分かります。
解説
都心から近く、アクセスがいい高尾山域はトレーニングにうってつけの場所です。筆者もトレーニングするときは、ほぼ高尾山周辺を走っています。
問題点のひとつにハイカーさんの多さがあります。ハイカーさんとすれ違う際はゆっくり歩いたり、立ち止まるのが原則ですが、それでも恐怖心を感じる方は多いですし、お互い気を使います。
マナーについては、筆者も応援している「高尾マナーズ」のページを参照してください。初心者向けコースのGPXデータも落とせます。
筆者は割り切って高尾山をコースから除外しています。稲荷山コースすら使いません(誰もいない夜中の練習では使っています)
これは、ハイカーさんとの共存を諦めているとか、迷惑が掛かるからという理由ではなく、「できるだけずっと走って質の高いトレーニングをしたい」という自分の都合を優先してるだけです。ハイカーさんも気を使わなくていいし一石二鳥だと思っています。
ハイカーさんとのすれ違いに気を使い、挨拶をきちんとするのがマナーのよいトレイルランナーなのは言うまでもないのですが、更に突き詰めると、そもそもなるべく遭遇しないようにしたほうがいいのではと考えています。
ここら辺はバランスを間違えると、お互いの交流がなくなったり、棲み分けになってしまったりと違う問題も生まれるのでバランスが難しいですが、高尾山に関して言えば最適解だと感じています。
上記を踏まえた上で、筆者がよく走るコースを紹介します。
高尾山だけではなく、高尾山~陣馬山縦走路すらなるべく足を踏み入れないコースが多いです。
基本的には、高尾駅が起点で高尾駅に戻ります。中央線と京王線を利用できるので便利だからです。お風呂に入りたいときは、入浴施設がある高尾山口駅をゴールにしています。
詳しいルートはルートラボにアップロードしてあるので、スマホ片手に廻ってみてください。これが一番迷いません。
iphoneならこのルータンアプリがお手軽です。
ルートラボのリンクからGPXやKML形式のデータを落とすこともできます。そのデータを使い慣れている地図アプリ(ジオグラフィカなど)に読み込ませて廻るのもオススメです。
基本中の基本「高尾ラウンド」
距離:約27㎞ 累積標高:約1500m
所要時間:4時間~
対象:中級者~
・ルート
高尾駅-駒木野(小仏関跡)-関場峠-堂所山-景信山-城山-大垂水峠-草戸山-四辻-高尾山口駅or高尾駅
基本となるコースです。色々なトレラン本やネットで紹介されまくってますので、ここでは詳しく解説しません。
堂所山~城山までは高尾陣馬山縦走路なのでハイカーさんが多いです。マナーに気を付けましょう。
これを知っておくと下記で紹介するコースをアレンジしやすくなります。
物足りなくなってきたら、後述するコースに移行しましょう。
高尾山域を満喫できる「高尾トラサル(タツノオトシゴ)」
距離:約39㎞ 累積標高:約2700m
所要時間:6時間~
対象:上級者(下)~
筆者の定番コースです。
時々一緒に練習する友人からコースの軌跡が、ファッションブランドのトラサルディに似ていると指摘されたのでこの名前になりました。確かに似てます。
タツノオトシゴとも呼ばれているようです。
・ルート
高尾駅→日影沢→北東尾根ルートで城山→小仏峠→底沢→底沢峠→陣馬高原下バス停→陣場山→栃谷→明王峠→孫山→小原→富士見茶屋→城山→日影沢林道経由で高尾駅。
高尾~陣馬縦走路の尾根に上がっては降りるのを5回繰り返します。
縦走路自体はほとんど走りませんのであまりハイカーさんに会いません。尾根から降りるとほぼ交通機関があるので、エスケープもしやすいです。
高尾駅~日影沢林道までは4kmほどのロードです。ここはウォーミングアップとしてゆっくり走りましょう。この区間で標高はほとんど稼げないので、それを除くと実際はほとんど登ってるか下ってるかなので結構タフだと思います。
日影沢林道に入って200mほど南下して、沢の対岸に渡ります。テープが見えるので分かり易いです。電柱「中継支6」も目印になります。よほど増水してない限り濡れずに渡れます。夏は水浴びポイントになります。
2020/03/21 台風の被害によりアプローチが変わりました。電柱の手前から対岸に渡ります。トレイルは明瞭ですので、渡渉しやすい場所から渡ってください。
北東尾根ルートで城山へ向かいます。一応バリエーションルートのようですが、明瞭な踏み跡があるトレイルです。
とりあえず城山山頂まで行って、天狗さまに挨拶しておきましょう。終盤にまた会うことになります。
城山から小仏峠へと向かいます。
そこから「相模湖」方面の看板を目印に底沢へと降ります。ぶっ飛ばせる気持ちがいいトレイルです。降りたらロードです。中央自動車道の下をくぐって、底沢登山口に向かいます。登山口は民家が隣接してるので静かに通過しましょう。底沢峠へ向かって登っていきます。
明王峠への案内板に従って大丈夫です。約2.5㎞で結構な斜度です。
足元に笹が生い茂ってきたら尾根までもう少しです。こんなに足元が見えないトレイルはこの区間くらいなので安心して下さい。
尾根へ上がって主稜線を西へ60m進み、「陣馬高原下バス停」へ降りられる「明王林道コース」を進みます。
最初はトレイルですが、1.3㎞ほど進むと林道になります。道は沢沿いです。真夏は水浴びポイントになります。
林道を突き進むと陣馬高原下バス停です。自販機やトイレがあります。体調が悪かったらバスに乗って高尾駅に帰れます。
ここから西へロードをひた走り、陣場山への登山口へと向かいます。
約1.5kmで、走りきれる斜度です。全走りすると良いトレーニングになります。
陣馬山へと続く登山口に取り付き、「陣馬新道コース」を進んで陣馬山へと向かいます。斜度がきつく、走るのは困難です。
この登りを終えれば行程の半分なので頑張りましょう。
山頂です。例の白馬です。
ドメジャーな「高尾山口~高尾山~陣馬山」の主稜線コースを使えばあっと言う間なのに、ものすごく遠回りして何度も登り返してます。多分アホなんだと思います。苦労した分、白馬のオブジェがより輝いて見えることでしょう。
陣馬山頂から尾根沿いに南下して栃谷集落へと降りていきます。高尾山への主稜線へ吸い込まれないように、案内板を見落とさないようにしましょう。
きつかったらこれをカットして、明王峠まで主稜線を進むのも手です。登りがひとつ減ると大分負荷が違います。
栃谷集落へ降りてからの景色が素晴らしいです。いかにも里山の風景で、筆者は陣馬山頂からの眺めより気に入ってます。
「陣渓園 陣馬の湯」の案内板の通りに進みます。隠れトレイルもあるので見逃さないようにしましょう。
ここは左です。(ここだけなぜか案内板がない)
案内板はあるが見逃しやすい隠れトレイル。降りれます。
民家の脇を通ることがあるので、会話を止めたり、熊鈴を鳴らないようにしたりと、迷惑にならないように静かに通行しましょう。
ロードに出たら、東へ進み、奈良子尾根の登山口へ向かいます。案内板とトイレがあるので分かり易いです。奈良子尾根を登って奈良子峠へ向かいます。
途中でロードに出ます。右手に少し進むと階段があるので登ればトレイルに復帰できます。
主稜線に出たら、明王峠に向かいます。東へ400mほどです。
明王峠の茶屋。
明王峠から南へ、再び尾根沿いに降りていきます。
「相模湖駅」とか「与瀬神社」方面の案内板の通りに進みましょう。微妙に登りがありますが、全走りできる気持ちいいトレイルです。
とりあえず、下記写真の孫山の直下まで進みます。
本来はここから孫山へ登り、小原へ下ってから城山へ登るのですが、体力がもう残ってなかったり、日が暮れそうだったら、そのまま与瀬方面へ、与瀬神社を経由して相模湖駅まで下って電車で帰りましょう。
孫山へ登ったら、小原へ下ります。
この区間は倒木が多く、激下りで結構滑ります。レースは走りやすいトレイルばかりではありません。悪路対策として気を引き締めるためにあえて使っています(トレイルは明瞭で、そこまでひどい悪路ではないです)
ロードに出ます。中央自動車道と線路の下をくぐると小原の郷に到着します。
小原宿です。
トイレや自販機があります。最後の大ボス、城山への登りに向けてしっかり補給しましょう。
ロードを走って城山の麓の富士見茶山へ向かいます。
富士見茶屋です。
城山まで約2.5㎞で約300m上昇します。超きついですが、最後なのでできるだけ走って力を振り絞りましょう。筆者は頑張ったら27分くらいで登れましたが、オールアウトで魂抜けました。
城山に着いたら、飴色の夕陽に照らされた天狗にお別れの挨拶をしましょう。「よくやったな」と褒め称えてくれたら、疲れすぎていて幻聴が聞こえている状態なのでしっかり補給しましょう。
後は日影沢林道を下って高尾駅までのロードを走るだけです。駅まではゆっくりでも40分程度で着きます。最低でもキロ4分台のスピードを出して、大腿四頭筋をぶち壊しましょう。峠走もできる美味しいコースです。
このロード区間で、トレイルで縮こまったフォームを元に戻すのがいいです。ストライドを広げて脚をリセットしましょう。
・コースアレンジ
このコースはアレンジも豊富です。
日影沢に向かう手前の、小仏関所から裏高尾に入って強度を増すのも手です。
最後の富士見茶屋~城山への登りを終えて、まだ体力が余ってたら、大垂水峠へ向かい、表高尾経由で帰るのもいいと思います(高尾ラウンド参照のこと)
・最後に
それなりにきついコースなので、尻込みするかも知れませんが、エスケープや補給が豊富なのと無理なら端折れるので、気軽にチャレンジしてみてください。基本的に沢沿いなので比較的涼しく、夏でも走れます。
景色も目まぐるしく変わるので飽きがこないと思います。
お馴染み「天狗ループ」
距離:約15㎞ 累積標高:約1500m
所要時間:2時間~(何ループでもどうぞ)
難易度:初心者~上級者
著名な100マイルトレイルランナーが紹介して有名になった小仏城山を起点として4つの尾根のピストンを繰り返すコースです。最近このコースを走っているトレイルランナーをやたら見かけるので流行っているようです。
・ルート
小仏峠の東の麓の駐車場→小仏峠→底沢(往復)→小仏峠→城山→東尾根経由で川まで(往復)→城山→大垂水峠(往復)→城山→小仏城山の東の麓の駐車場
小仏城山の東の麓の駐車場に車を停めて、そこを起点に小仏城山に登り、底沢まで降りて往復、城山まで南下、城山~東尾根のピストン、城山~大垂水峠のピストン、小仏城山まで北上して小仏城山の東の麓の駐車場まで戻ります。このループを何度も繰り返します。
車があればオススメのコースです。
装備を軽くできますし、1周毎に装備や補給を変えたりして実験できます。ループの100マイルレースのシミュレートに最適です。ループコースの精神力を鍛えるにもうってつけです。
筆者は電車なので、このコースの利点を生かせないので、あまり走っていません。電車の方は前述したラウンドコースのトラサルがオススメです。
地獄の魔合体「トラサル+テング」
距離:約44km 累積標高:約3000m
所要時間:7時間~
難易度:上級者~
・ルート
高尾駅→日影沢→北東尾根ルートで城山→大垂水峠往復→小仏峠→東の駐車場往復→底沢→底沢峠→陣馬高原下バス停→陣場山→栃谷→明王峠→孫山→小原→城山→日影沢林道経由で高尾駅。
名前の通り、天狗ループとトラサルを魔合体させています。トラサルより強度を増したいときや、往復の辛さを味わいたいときに使ってください。ループを何度もするのが苦手なひとは天狗よりこちらのほうがオススメです。
トラサルと違う点は、日影沢林道から北東尾根を登って城山に着いたら、大垂水峠まで下って往復をして、小仏城山へ北上し、東の麓の駐車場の往復を組み入れているところです。そこから底沢に降りてからはトラサルと一緒です。